FC2ブログ

『死にがいを求めて生きているの』朝井リョウ

朝井リョウさんの『死にがいを求めて生きているの』を読みました。

018_20190715163750bde.jpg

南水智也と堀北雄介のふたりの関係性を軸にストーリーは進みます。
全部で10のパートに分かれていて、最初のパートは、植物状態で寝たきりの南水智也を献身的に見舞う堀北雄介に感心する看護師の話から。

なぜ智也は植物状態になったのか、なぜ雄介は毎日のように友人を見舞うのか。
小学生の頃からのふたりの様子が描かれるのですが、話はだんだん人類がなぜ戦いを止めないのかという壮大な話に膨らんでいきます。そもそも日本人のルーツは「海族」「山族」というふたつに分けられ、歴史的な戦争、事件はすべて相容れない海族と山族の戦いであり、それが現在も続いている(?)という。

「生きがい」「死にがい」が紙一重で深く考えさせられました。「食べるためだけに必死で働く」という毎日であればあれこれ考えなくても良いし、自分の「生き方」に悩むこともないのでしょうが、経済的にまあまあ心配がなく、職業、趣味など選択肢が多々ある現代では、「生きる目的」に囚われることが無きにしも非ず。

小説中に出てくる「輝く自分」を必死に演じる若者たちは他人事ではない気がします。ずっしりと読み応えと余韻のある小説でした。

とても面白い小説だったのですが、読み終わって最後の頁を繰ってちょっとびっくり。
この小説は文芸誌『小説BOC』の創刊にあたっての「螺旋プロジェクト」というプロジェクトの中の一作とのこと。8組9名の作家による古代から未来までのふたつの一族の対立を描く企画ものなのだそうです。
わたしが読んだのはその中の「平成」の巻。

小説の内容とは全く関係ないのですが、わたしが「なるほど」と頷いた文章が下記。

ずいぶん前に別れた彼氏にもらったスマホケースの中で、携帯の画面が光った。迷惑メールだ。今時メールなんて、迷惑メールか、一度も読んだことのないメルマガか、それくらいしか届かない。

ガラケーのわたしは今も携帯からメールを送るのですが、友人知人から「メールはめんどくさい!」とぶつぶつ言われること多々。
なるほど、携帯メールの需要はホントにないのですね。ごめんなさいね


↓↓↓クリックしていただけると嬉しいです(^^)
にほんブログ村 ライフスタイルブログ のんびり暮らしへ
にほんブログ村


『危険な弁護士』ジョン・グリシャム

久しぶりにジョン・グリシャムを読みました。

001_20190710194550255.jpg

職場の上司に貸していただいた本です。
購入したご本人がまだ読んでいないということで、大急ぎかつ汚さないよう細心の注意をはらって読みました

ひとつの事件を追及するのかなと思って読み始めたら、主人公セバスチャン・ラッド弁護士の生き様が主のストーリーでした。
最初から犯人と決め付けられている人物の弁護を次々こなしていくセバスチャン。常に危険と隣り合わせ。読者のわたしもクタクタです。


↓↓↓クリックしていただけると嬉しいです(^^)
にほんブログ村 ライフスタイルブログ のんびり暮らしへ
にほんブログ村


『傑作はまだ』瀬尾まいこ

瀬尾まいこさんの『傑作はまだ』を読みました。

009_201907022123276c2.jpg

「笑って泣いて」がぴったりの小説です。外で読むとちょっと恥ずかしいことになるかも。

主人公は加賀野正吉(かがの まさきち)50歳、印税で暮らせるのだからすごい作家。
その主人公のもとに、これまで写真と養育費だけで繋がっていた息子が突然訪れるところからストーリーが始まります。

この主人公、むちゃくちゃ笑えます。
「生きるとはなんぞや」的な重苦しい小説を書いているようなのですが、世間と全く関わりを持たずに生きているので、実生活はすべて自己完結なのです。そこに、平均レベル以上に世間知に長けた息子が現れることで、もうドタバタ喜劇。

誰かと近づけば、傷つくことも傷つけてしまうこともある。自分のペースどおりに進めないし、何気ない相手のふるまいに不安に駆られることもある。自分がどう思われているのかが気にかかり、それと同時に誰も俺なんか見ていないんだと自意識の強さに恥ずかしくなる。自分の価値がどれくらいなのか無意味なことばかりうかがっては、優越感や劣等感に襲われる。

ラストはけれど、瀬尾まいこさんならではの心温まる流れです。
なぜ息子は突然、父のもとにやって来たのか?
その答えは、人って素敵だなって心から思えます。

そして、25年間、会ってはいなかったけれど、実はずっと主人公を守り続けていた美月さん(息子の母親)にハートを鷲掴みにされました
ちょっとファンタジーかな。


↓↓↓クリックしていただけると嬉しいです(^^)
にほんブログ村 ライフスタイルブログ のんびり暮らしへ
にほんブログ村


『殺人鬼がもう一人』若竹七海

若竹七海さんの『殺人鬼がもう一人』を読みました。

002_2019063015032768d.jpg

若竹七海さんといえば、わたしが持っていたイメージは軽いユーモアミステリを書く人。
ところがところが、この『殺人鬼がもう一人』はわたしの持っていたイメージが根底から覆されたという。超が付くブラックブラックミステリ小説でした。
筆致は軽くて読みやすいので、ラストに近づいて初めて「そういうこと!?」と驚愕します。

「法」は必ずしも「正義」とはなりません。その理不尽さを正すとすると、「法」から外れた行動を取らざるを得なくなります。
この小説はブラックだけれど、後味は悪くはないです。爽快な気分にもなりませんが。


↓↓↓クリックしていただけると嬉しいです(^^)
にほんブログ村 ライフスタイルブログ のんびり暮らしへ
にほんブログ村


『ポルシェ太郎』羽田圭介

羽田圭介さんの『ポルシェ太郎』を一気読みしました。

003_20190630144148c15.jpg

ちょっとドギツイ装丁。
主人公は大照太郎(おおてる たろう)35歳。イベント・PR会社の社長。起業してまだ数年。
そんな太郎が分不相応なポルシェを購入するところからストーリーは始まる。「ポルシェを所有し運転する自分」に酔い、だんだんとんでもない展開に…。
太郎、どうなっちゃうの~?という感じ。

羽田圭介さんは、誰もが多かれ少なかれ持っているであろう人間のイヤ~な部分を読者に直視させます。それは少なからず読者を嫌な気分にさせることもあります。太郎が持つ執拗な根拠のない優越感には嫌悪感が湧いてきますが、それに近い感情を持ったことがないと言い切れるのか。

この小説のラストは、以外なことにハッピーエンドです(最後まで読んで良かった)。
「太郎、良かったよ~」と声をかけたくなりました。なんだか極端な太郎に振り回されてへとへとになりましたが、最後はとても微笑ましかったです。


↓↓↓クリックしていただけると嬉しいです(^^)
にほんブログ村 ライフスタイルブログ のんびり暮らしへ
にほんブログ村


プロフィール

月

Author:月
関西在住のアラフィフ会社員です。
「のんびりゆったり楽しく暮らす」生活に憧れています。今はまだ修行の日々です。

検索フォーム
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
フリーエリア
リンク
QRコード
QR